市川海老蔵
【 2008年11月22日放送】【138回】パート4
今日のゲストは、歌舞伎役者で恋の噂が絶えない市川海老蔵さん。
パート3からの続きです♪
[無謀な行動に注意]
江原「ちょっと余談なんですけどとにもかくにもね、舞台以外のことで事故、怪我、注意です。時々、気持ちがあまりにも苦しくなった時にわりと無謀な行動をとるんですよ。」
海老蔵「いや、かなり無謀ですね、僕。」
国分「あ、そうですか。」
海老蔵「何か『よく生きてたな』っていうことがすごく多いです。」
江原「プラスね、自分を試すんですよ。これに自分は恐怖を抱くか?とか、
後はこれで死んでもいいか?とか。」
海老蔵「いや、だから『運命が殺すんだったらば死んでしまうだろう』というくらいの気持ちでやっちゃうことがありますよね。」
国分「はあ。」
江原「さっき言った『素材と料理』。
これをよく理解すれば、
そんなことで料理を誤ったらいけないんですね。」
海老蔵「そうですね。焦がしちゃいけないですよね。」
江原「決まってないんですよ、出来は。自分次第。」
[市川家に生まれた意味]
美輪「あのね、だからなぜね、こういう世界へ自分で選んで来たかって
つまり、責務、義務の勉強のためなんですよ。」
海老蔵「…みたいですね、何か話を全部まとめると。」
美輪「そうなんですよ。責務、義務を。前世は義務や責務はなくてよかったんですよ。ね?」
海老蔵「うん。もう一回くらい、続いて欲しかったですね。」
(みんな笑い)
美輪「そうはいかない。だから、義務も責務も感じなくてね
自分勝手に自分の好きなように生きていれば良かったんですよ。
ところが結局、歌舞伎になると、あなた自身がいなくなると
他の脇役の人たちや他の役者さんたちも相手役の人たちも、皆さんお困りになる。ね?
それで歌舞伎全体が困るようになる。
例えば劇場の人たちも とにかく数え切れない大勢の人たちが、
たった一人の不始末で皆が困るんですよ。
だから、それを勉強するために、自分で選んだんだから、覚悟を決めなさい!」
海老蔵「覚悟ねえ…。」
江原「本当にね、海外とかでも暮らしやすい人ですしね。
もう、向こうで暮らそうかな?みたいな風になる人です。」
海老蔵「ああ、もう、全然思ってますね。
だ から芝居をしている時は、結構芝居ばっかりになるんですけど、
ちょっと一度休みに入ると
『海外に行こうかな?グリーンカード当たらないかな?』くらいの勢いで
結構考えたりしますよ、普通に。
いやさっきも考えてた。」
国分「本当ですか?『海外いいかな?』みたいな。」
海老蔵「ハワイとかいいかな、いやヨーロッパもいいよな…でもやっぱり
歌舞伎をし続けるということですね。」
美輪「自分で選んだんですもの。」
海老蔵「そうですね、わかってます。でも一応ほら、言われてちょっともう一回確認のために。」
(みんな笑い)
美輪「あのね、お宅の成田屋さんのね、ご守護でね、よく拝みに行くのはなぜ
お不動様かというんですよ。」
海老蔵「不動ですよね。」
美輪「不動でしょ?動いちゃならない、決定(けつじょう)しちゃって。ね?
ビクともしない、何が起ころうと泰然自若、全く揺るぎのない。
それで煩悩だとか、いろいろ邪まな事柄が出てきたり、そうするとそれを剣で断つ。
ね?だから揺るぎがない。そのために、フラフラフラフラしないために、不動っていうもの
不動明王がついているわけだから。それもちゃんと意味があるんですよ。」
江原「だからいろいろ試したりとかっていう、さっき言ったみたいなこともね
一見、聞こえがいいかもしれませんけれど、その不動心がちょっと欠けるから…。」
海老蔵「欠けます。明らかに欠けますもん。耐えられなくなる。
これ、前世のことなんですかね。
その自分自身の個性は、我慢した方がいいんですか?
その部分においては、やっぱり…。」
江原「そう、やっぱり『短きは補う(短所は直す)』長きはそのまま、ね?
伸ばしていけばよいことであって、うん。」
海老蔵「結構気に入ってたんですけどね、この性格。」
江原「でもそのわりには、だって最初に『もうそろそろ自分も…』。」
海老蔵「さっきは建前も考えた上での発言もあって
言っておかなくちゃいけないかな?ぐらいな。
でも本能的には、それも思っていて
でもやっぱり、これだけ時間を過ごすと。あ、やっぱりこう…ね?
何かな…みたいなものもありますよね。」
美輪「今、何歳におなりなの?」
海老蔵「今、30歳です。」
美輪「あ、じゃあ無理もないわ。まだ子供ですもの、そりゃしょうがないわよ。」
海老蔵「いや、でもね。そう言われちゃうと、ちょっと悔しいですね。」
(みんな笑い)
国分「どうですか、今の話を聞くと
團十郎になられるわけじゃないですか。」
海老蔵「だから、そういうことを頑張らないといけないですよね。
ギリギリまでフラフラしてたいっていうのが、やっぱりどこかにあるんでしょうね。
もうだから、分かっているんですよ。おっしゃっていることが。
『もう絶対、そうなる』って。
でもやっぱり、世というものはね、誘惑が多いというか。
だんだんそれていって『あ、フラフラしていても、いけるのかもしれない』とかいうのを
ちょっと気づくと。
それは過ちですね。過ちでしたね。」
美輪「いや、勉強ですよ、過ちじゃなくて。だってそれがなければ
伊左衛門(いざえもん)なんてできませんよ。ね?」
〔伊左衛門…廓文章(吉田屋)の主人公。
遊女の夕霧のもとに通いつめたため親に勘当されてしまった若旦那〕
海老蔵「あ、そうですよね。」
美輪「そうでしょ?」
海老蔵「まあ、遊んでる役は比較的、今だったらどうにか、なる。」
美輪「ははは。だから、それはそれで一つの勉強なんですよ。
いけないことじゃないんですよ。」
国分「そうですね、うん。」
美輪「だから、世の中ね、人生には無駄なものなんて、何もありゃしないんですよ。」
海老蔵「そうですね。」
国分「そうなってくると、もちろん、もっともっと團十郎を続けていかないと
いけないと思うので、跡継ぎということもやっぱり…。」
[気になる結婚は?]
海老蔵「あ、そうだ。
今日ですね、父に『こういう方々と会うんですよ。何かききたいことはありますか?』
『いや、特にない』とまあ、不動でしたね。(みんな笑い)
それで、母に聞いたらば『お前は結婚はどうなっているんだ』と。
『それだけ聞いて来い』と…。
あ、そうだ、いま思い出した、忘れてた。俺、結婚するんですかね、やっぱり…
どうなんですか?」
江原「う~ん。まあ、まだいいんじゃないですか、先のことですから。」
海老蔵「あ、そうですか。」
江原「うん、もちろん、しますよ。するけれども、あの…着地してからですね。」
美輪「だから、もう少しね、まあ完全にはお出来にはならないでしょうけれど、不動の心のね、
その不動心がもうちょっとね、面積が広くなった頃になさると、いいご家庭もできるし
相手も迷惑しなくてすむんですよ。」
江原「そうですね。」
海老蔵「もう迷惑かけっ放しですからね。」
美輪「だから、もうちょっと自己の確立の方が先決問題でしょうね。」
江原「ただですら、これから3、4、5年くらいの間が、ものすごい、ある意味での成長期なのでね。
うん、ものすごく改革がありますよ、いろいろありあます。
だから、それで完全着地はすると思いますよ。」
海老蔵「え?え?ちょっと言っていいですか?
もしここで、この会話をしなかったとしても僕は4、5年後、着地してたんですかね?」
美輪「無理でしょう。」
海老蔵「あ、無理なんだ。」
美輪「だって、お耳がふさがってたんですもの、昔は。
耳が開いてきたの。」
国分「でも、どこかで今日、何かこういうことを言われるんじゃないかなっていうことは
ちょっと自分の中でも分かってた気が僕はするんですけれども。」
海老蔵「どうなんでしょうかね。そうかもしれないけれども、ここまで具体的なことじゃなく
あの、何か潜在意識を…何か手術の時に麻酔されて内臓を触られているような気分ですか。」
(みんな笑い)
海老蔵「わかんないけど。」
国分「なるほど。」
江原「正直だし、素直な方ですからね。
だから本当に自分にとって必要だと思ったら 受け入れます。
だって分かりやすい人なんですよ。部屋の中もそうなんですよ。
心が安定している時と安定していない時は。
ぐちゃぐちゃっていう時と
きちんとしている時とものすごい差じゃないですか?」
海老蔵「ものすごい差です。もうおかしいですよ。」
江原「ね?本当に人が住むところか、みたいな感じ見えますからね。」
海老蔵「だからきれいな時は何もないですし、きたない時は寝る場所なんてない。」
国分「へえ~。」
江原「さっき言った洞窟の暮らしがあるでしょう?
それと似たようになっちゃうんですよ、だから。」
国分「あ~。」
海老蔵「今、家の日本間で寝てますね。ちょうどお不動様がいるところで寝ているんですけど。」
国分「それは、そこで寝ようと自分で何となく。」
海老蔵「最近なんですよ。」
美輪「ですから、ご自身が意識していらっしゃらないぐらいにね、お不動様の方はね
本当にじ~っと見て守っていらっしゃいますからね。」
海老蔵「あ、そうなんですよ。
それで日本間で寝るようになってから
お不動様が目の前にあって、朝起きると何かしゃべっているんですよね。
言葉は発するわけはないんだけど、『とりあえず、挨拶くらいはしろ』と。
一応、毎日お参りをして出てくるんですよ。でも、やっぱりそれはちょっと形なんでしょうね。」
美輪「心がこもってないのよ。」
海老蔵「確かにそうなんです。子供の時から、願っちゃいなかったですし
思ってもいなかったんですよ。」
美輪「ご挨拶もしてなかったのね、形だけそうやってたの。」
海老蔵「そうですね。」
美輪「それでもう、心がスッカラカンで、交流が何もなかったから。」
海老蔵「それをしなくちゃ家を出ちゃいけないみたいな、ところがありまして
とりあえず(手を合わせて)『う~』って出て行っちゃうような
もうどうしようもないタイプですから。
でも、最近その、何かいわれて『まず、窓を開けろ』と。
最近は三日坊主で終わるかなと思ったんですけど
言われているので、何か分からないですけど、窓を開けるんですよ。
で、とりあえず、今は落ち着いてる感じなんですけど、どうなんですかね、その辺は。」
美輪「いやだから、それは正解ですよね。
ちゃんとそれはお不動様の言葉を受け止めていらっしゃるの。」
国分「すごい。」
海老蔵「ありがたい感じがしたんですよ。」
国分「ありがたい。」
海老蔵「何かよくわからないんですけど…
いや最近、ちょっと変わっているんですよ、何か分からないんですけどね。」
国分「でも、それを開けることによって、落ち着いているわけですものね。」
海老蔵「うん、落ち着いていますね。今、開けるだけですよ、窓を。」
江原「それはだから、それだと窓を開けて空気の入れ替えだけだと思うじゃないですか。
さっき美輪さんがいった言葉で『空を見て、俯瞰して』っていうことの
象徴的な意味合いであって
『窓を開けろ』というのは『自分のまた違う視点を持て』という、
空気の入れ替えという意味じゃないですよ。」
海老蔵「あ、そうか。」
[グローバルな視点を]
美輪「グローバルにっていうこと。だから空を見て、世の中全体を見て。
地球を見て、地球の中に国が分かれているの。その国の中に県があって、
その中に市があって。
そして町があって、町の中に1軒1軒、家があって、1軒1軒の家の中に部屋があって
部屋の中に人間がいて、そうして人間の中に内臓があって、その中にいろんな細胞があって。
そうやってず~っとミクロの世界を見るようにね、ず~っと俯瞰で見てたものが1つ1つ。
それが観世音菩薩なんですよ。世の中を、世の音を観るって書いてあるでしょ。
観世音っていうのは。だから人々の『この者は悲しんでいる』『この者は苦しんでいる』
『この人は悩んでいる』『この人は放埓(ほうらつ)ばかりしている』
そういったものを俯瞰(ふかん)⇒でず~っとみると、世界全体からず~っと寄っていくわけですよ。
だからそれを、自分の私生活にも、舞台にも、役作りにも全てに生かすということなんですよね。
そうすると一つの役が、弁慶の役にしても、富樫の役にしても、もう一つ一つの役がね
全部もっと奥深く、底知れないものに、ものすごく大きくて楽しいものになってくるわけですよ。
そういうことをお不動様はおっしゃっているわけですよ。
このお不動様も(江原さんのこと)ははは。こちら大黒様もおっしゃっているの。」
(みんな笑い)
【エンディング】
国分「さあ、お2人の話を聞いていかがでしたか?」
海老蔵「大変ためになりました。本当に良かったですね。」
国分「でも、お2人が話している時に『いやー絶対、海老蔵さん
言われていることは分かっているな』と思ったんですよ。
それ、すごいレベルだなと思ったんですよ。」
海老蔵「でも分かってることが分かってる方もすごいじゃないですか。」
国分「あ、俺ですか。あは、すいません、何かそうですかね
これからまた、テレビだったり舞台なんかで海老蔵さんを見て
『あ、変わってきたな』ってことを、ちょっと楽しみたいと思いますので。」
海老蔵「そう思われるのは、ちょっと悔しい。」
国分「ははは。」
(みんな笑い)
【スピリチュアル・メッセージ】
宿命は素材 運命は料理。
持って生まれた才能(素材)を生かすのは料理(努力)の仕方次第です
地に足をつけて、一人前の心づもりを
【オーラの言葉】
情報に惑わされず自分なりの視点を持つには世の中を俯瞰で見ること
そのために必要なのが教養と冷静な知性
(「愛の話 幸福の話」より)