梅沢富美男

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【 2007年09月15日放送】【111回】パート4

今日のゲストは、女形で話題となり「下町の玉三郎。」と呼ばれた俳優の梅沢富美男さん。

パート3からの続きです♪

梅沢さんちの台所 梅沢富美男愛情レシピ集

[厳しく優しい母]
美輪「素晴らしい方ですよ。
きついといっても、人としての常識とか
理にそったことを教えるということで厳しかったわけだから。」

梅沢「舞台のことも。僕がインフルエンザで5日間40度の熱が出て
4日目くらいには意識がなくてわからなかったですけど、お医者さんが
『すぐ連れて行きましょう。でないと死にますよ』と言ったら
『先生、帰ってください。この子は舞台で殺しますから』って。
『トンちゃん、あんたを待っているんだよ。
お客さんがあんたをみるために高いお金を払っているんだよ。
頭が痛いとかなんて役者がそんなことを言うもんじゃない。
出ておいき!休みたいなら舞台で倒れな!』って。
でも、お袋は舞台袖で泣いてたって妹が言ってました。
そういうお袋だったですけど、普段はとっても優しい母親でしたね。」

美輪「プライベートでは優しくてね、仕事のことになると鬼のようになる。
それは素晴らしいことですよ。お幸せでしたね、そういうお母様で。」
梅沢「本当に。」

~仕事では厳しくプライベートでは優しく。
母は今も梅沢さんの健康を案じていました。
そして厳しいアドバイスも~

江原「ただ、すいません。
お母さんが、ちょっとおかしい事1個だけ言ってね。
ギャンブルでスッちゃったときに機嫌が悪くなるのはやめなさいって。」
美輪「それそれ。」

[ギャンブルは…]
国分「何よりも関係者の方が大爆笑ですよ。」
梅沢「僕の弱点です。」
国分「機嫌悪くなるんですか。」
梅沢「はい。」
梅沢「僕ね、ずっと言われていました。
情けないって。
『お前がギャンブルをやらなかったら、ビルの1つや2つ建ってたね』」と。
国分「そんなにやるんですか?」
梅沢「はい、中途半端なことは嫌いですから。」
美輪「あのね、自分の勘を頼りすぎちゃうの。」
梅沢「新聞の予想なんて全然気にしませんよ。
僕は競走馬を持っていますけど
いまだに調教師の言うことなんて100%信用しませんから。
今日は調子いいんですよ、梅沢さん、来てくだ4さいよ』とかって。
絶対勝たないんです。」
(みんな笑い)

江原「これだけ笑わせられるのって初めてですよね。」
国分「こんな明るい回になったの初めてですね。」
美輪「そう、おもしろい。」
梅沢「それは、バラすからですよ。バーボン飲んでるとか
1時間カウボーイになってる話なんて、絶対言わないですから。」
国分「カウボーイになった話はしてましたけど、
ほとんど後は 全部自分でしゃべってましたよね。」

~ 競馬の馬主としても知られる梅沢さん。
馬を愛するのはカウボーイだった前世の影響とはいえ
ギャンブルはほどほどに。
そしてこの後、亡き母が今、最も伝えたいメッセージが~

[母が白血病に]
国分「お母さんは白血病で亡くなったんですか。」
梅沢「はい。それでお医者さんに『もっても半年ですね』って言われて。
兄弟で皆、愕然としましてね。
兄貴が『おふくろの好きな事させてやろうよ』って言って。
『母ちゃん、どこかに行く?』と聞いたら
『トンちゃん、台湾に連れて行ってくれないか』と急に言い出して。」
国分「ええ。」
梅沢「『いいよ。何で?』って言ったら。
『私ね、市川少女歌舞伎で女座長だった時に、 慰問で台湾で、お芝居と踊り、やったんだよ』って言って。
その劇場で。台湾に劇場があったんです。
『その時に兵隊さんが、もう死にそうになって
担架で運ばれて来るような兵隊さんが。
お芝居見て涙流したのを見て、それで『ああ、女優になってよかったな』って思ったんだよ。
『だから、そこへ連れてってくれ』と。
で、僕、おふくろ連れて兄弟全部で。
台湾行ったら、もう劇場はなかったですけど。」
国分「はい。」
梅沢「『ここに劇場がありました』っていたら、
おふくろがそこで泣き崩れましてね。
そしたら急に元気になったんですよ。」
国分「はい。」
梅沢「それから10何年生きたんです。」
国分「ええ~。」

[母の悲願・大舞台へ]
『死ねない。武生と富美男がいつか商業演劇で』
お袋たちは馬鹿にされましたから
『そんなドサ回りの役者なんか上げられないよ』
という話がいっぱいありましたからね。」
美輪「大所の劇場は出られなかったのね。」
梅沢「はい。だからお袋が『そこでナンバーワンになるまで、死ねない』
それで、初めて明治座や御園座や新歌舞伎座に上がったのは
もう20年以上前の話ですが、今でも上がっているのは僕らしかいないので。
他の人は歳をとってどんどん辞めていきましたから。
それで連日大入りの新記録を作ったときに、
お袋が『お前を産んでよかったよ』と初めて言ってくれました。」

~商業演劇の大舞台でナンバー1になって欲しい。
母の願いは叶いました。
梅沢武生劇団は大劇場で 次々に連続大入り記録を達成したのです。
息子達の成功を見届けて龍千代さんは天国へ旅立ちました。
そして今、最も伝えたい事が~

美輪「結局ね、お母様が白血病でお亡くなりになったのはそれなんですよ。
『自分の身を代えて。私の命を差し出しますから、その代わりにそうやってください』
っていう風に、おっしゃったの。」

[命と引き換えに]
『この子たちを一流の舞台に上げて。そうしたら私はいつ死んでもかまいません、
命を差し上げます』ということをおっしゃったの。
だから白血病で苦しもうが、それと引き換えだから、覚悟はおできになっていたのね。
明治気質みたいな武家の才女みたいな方だったから。
だから『神仏を信心していたのに、白血病なんかになったんだ。神も仏もあるものか』
梅沢「いま、先生が言った中に本当にお袋に言ったことがあるんですよ。
『お袋はこんなに信心深いのに、何で白血病で死ななくてはならないんだよ。
だから言っただろう、神様なんかいくら手を合わせたって役に立ちはしない』と言ったら
『絶対に言わないでくれ』って言ってました。」
美輪「それを今、お母様がおっしゃったの。
『私は命と引き換えにお願いしたんだから』ということをおっしゃっているの。
だから立派な方よね。
自分の命を差し出しても子供たちのことをというのはできないことですよ。」
国分「今も守っているわけですものね。」
梅沢「やられましたね…。俺、おふくろ死んだ時も泣かなかったんですよ。
『泣くな』って言ったから。
俺、初めてです、泣くのが辛い、泣きたくないと思いながら泣きそうになっているのは。
嫌いなんですよ、大人が泣くのは…。」
国分「でもやっぱり、その何か言われてる事っていうのは
心当たりが、ある事がたくさん。」
梅沢「全部でしたね、うん。
カウボーイの話は、止めとけばよかったですね。」
美輪「そうは行かないわよ、はっはっは。」

【エンディング】
国分「今日はお二人の話を聞いていかがでしたか?」
梅沢「先生に一回謝ろうかと思って。昔から芝居の台詞にあるように
『講釈師、見て来たような嘘をつき』といって
いろいろなこうしゃくを並べる方がいろいろいらっしゃいますけど
僕は初めてお二方、両先生のことを聞かせていただいて。
全部当たっているんですよね。
できれば、編集でカウボーイの部分をカットして。」

国分「あれを無くしてしまったら何もなくなってしまうので
オンエアの方向でよろしいでしょうか
お母さん、お兄さんの素晴らしさ、本当に聞いていてわかりました。」
梅沢「本当に、大好きですから。」

国分「それだけいい人に囲まれているわけですから
博打で失敗して人に当たるのはやめましょうよ
好きな言葉は何でしたっけ?」
梅沢「愛です。」

【スピリチュアル・メッセージ】
いろいろな意味で「男の中の男」と言える方。
お母様の願いは役者の命、目と腰の健康。
そしてギャンブルで負けても機嫌が悪くならないこと

【オーラの言葉】
渦巻きには自分の形が見えない。
向こう岸から観察すれば、同じところをぐるぐる回っているのが見える。
少し離れて冷静に物事を見れば、真実が見える

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