5時に夢中:父を許すことができない
2015年7月15日放送の5時に夢中
出演:ふかわりょう、内藤聡子、美保純、江原啓之
「江原啓之のハッピーライフのすすめ」
江原啓之さんが様々なテーマから視聴者の皆さんの暮らしを豊かにするアドバイスを披露します。
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37歳の女性からの相談
わたしは死んだ父を許すことができずにいます。
父は私が高校生のとき、外に女性を作って母と私と弟を置いて家を出ていってしまいました。
その後、3年ほどたって父はひょっこり家に帰ってきて家族に謝罪。
母と弟はそんな父を許しましたが、私はどうしても許すことができず、母と弟が信じられませんでした。
その頃私は東京で一人暮らしをしていたので、父と顔を合わさぬようにほとんど家にも帰らず父からの連絡はすべて無視。
6年前に父が病気で息を引き取る時も「勝手に死ねば」といって最期にも立ち会いませんでした。
もちろん葬式もこれまで墓参りにも1度も行ったことがありません。
母と弟はそんな私を冷たい人間だと言い、毎年夏になると懲りずに父の墓参りにわたしを誘ってきます。
わたしは父を許すべきなのでしょうか?
数十年前のことを許せない私は心が狭いんでしょうか?
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ふかわ「江原さん、よろしくお願いします。」
江原「でももう答えは出てると思うんですね。
薄情かなということで送られていますけれど、薄情だったら送ってこないと思うんですよ。
やっぱり気にかけているからなんですよね。
そこでもうね、結論を申し上げてしまいます。
(『愛の反対は無関心』と書かれたフリップを出す。)
あのね、本当に無関心だったら怒りはないんですよね。
やっぱり女の子の方がお父さんに対して理想像を求めすぎているかもしれない。
こ
んなお父さんであってほしいとかね。それにかなわないから腹が立つ。
で、今もそれを引きずっているわけですよ。
でいて墓参りに行かない。それはそれでいいと思いますよ。
わたしの立場でそういうのはおかしいと思うかもしれないけど、それが正直な気持ちならそれでいいと思う。
ただ、そこで一個だけ理解してほしいのは、そんな優しいあなたなんだけれども、深層心理というのかな、実は依存心があるの。
だって“こんな父であってほしい”って依存じゃないですか。
みんな同じ人間なんですもん。
親ってね、なる国家試験ないんですよ。
誰でも親になれちゃったりするわけじゃないですか。
だから私は子供が親にしてくれる、やっぱり子供が鍛えてくれるわけですよね。
ですからそういった意味では愛情がいっぱいある。気に病む必要はない。
いかがでしょうか?」
ふかわ「でもこれ、許す方向に傾くのは難しいんですか?」
江原「これがね、お父さんじゃなくて知っているおじさんだったら『まったくやんちゃなおじさんだな。』で終わっちゃうと思うんですよ。
で許せちゃったりするでしょ。
自分の父だから許せないっていうのがるんですよ。」
ふかわ「許すことをすすめる必要はないんですね。」
江原「ないと思う。わたしはむしろ許しているのも同然だと思うんです。
だってこうやって番組に送ってくる優しさはあるんですよ。気に病んでるんですよ。
気に病むということはお父さんへの愛情なんですよ。
それを認めたくないだけ。」
ふかわ「あ~、そうか。
江原さんがおっしゃるように、愛情があるんだけどそれを認めたくないっていうのが真実なんでしょうね。」
江原「それだけのこと。
だから本当は愛情いっぱいで、全然薄情じゃありませんよ。
お墓参りにいかなくったってお父さんと通じてるはずですから大丈夫。
だから、あとはあなたがちょっぴり期待しすぎているのかなっていうのを気付いてくれたらいいと思います。」
ふかわ「はい、ありがとうございました。」