母親の在宅介護から逃げ出したい

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2015年8月19日放送の5時に夢中
出演:ふかわりょう、内藤聡子、美保純、江原啓之

「江原啓之のハッピーライフのすすめ」
江原啓之さんが様々なテーマから視聴者の皆さんの暮らしを豊かにするアドバイスを披露します。

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46歳の女性からの相談

相談したいのは今年75歳になる母の在宅介護のことです。
母は3年前に転倒して足を骨折して以来寝たきりになってしまいました。

最近は認知症も進み、身の回りのことも自分でできない状態。
施設に入れる余裕はなく、自宅での介護を余儀なくされています。
父は私が生まれてすぐに母と離婚、他に家族は結婚して家を出た姉が1人だけです。

仕事に出ている昼の間は姉やヘルパーが母を見てくれていますが、仕事から帰ってからと仕事が休みの日は私がずっと介護をしています。
正直、家と仕事場との往復でもうくたくたです。
まだ、遊んだり、結婚も考えたり、キャリアアップもしたかったんですが、母のせいで私が幸せになれないのかと思うといっそ母を殺して私も死んでしまいたい…と思うことも1度ではありません。

最近では介護を姉に押し付けすべてを捨てて逃げてしまおうかと思っています。
家族への感謝を忘れて逃げ出すわたしはずるい人間でしょうか?

わたしはどうすればよいでしょうか?1日も早くこの状況から逃げ出したいです。

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ふかわ「江原さん、アドバイスお願いします。」

江原「これは難しいことで、スピリチュアルなことというよりもむしろ現実的な対処が大事なんですけど。
やっぱり介護って簡単にいうわけにはいかないですけど、してただいたことをお返しする機会っていう風にまず思ったほうがいいかなと。
自分たちもおしめ替えてもらって育ってきたわけですから、それを返せるという風に思うべきで。

ただ、せっかくなんでちょっとスピリチュアルな視点というのも申しあげたいんですよ。
認知症における症状っていうのはね、例えば、“徘徊”。
これはね、逃げたい過去があったっていうことなんですね。
そうするとそれが認知症になってから素直に出るんですね。
だからあんなに気丈なお母さんでもこんなに逃げたかったんだね、とか。

あとは例えば“異物を食べる”という人は、実は食べたかった、食べることに苦労したということがあらわれていたり。
だから、“お母さんは大丈夫”とか言いながらみんなに食べさせてた、でも実はお母さんも食べたかった、というようなことがあらわれたり。

また、“暴言を吐く”というのも、気のいい方だったのに、なんていうこともありますけど、例えば嫁姑の間で苦労してたりとか、ガマンを重ねていて本当は暴言を吐きたかった。

だから“最後の最後に自分を出せていけるんだからよかったね”という余裕がみんなに持てるといいなと思うんです。
ただ、そこでね、今回難しいのはこれって現実的な問題なんです。

2006年にも息子さんがお母さんを介護していて、最後に生活がままならす殺してしまったという事件があったんです。
実刑で2年6ヶ月だったかな。
執行猶予が3年の異例の判決が出たんですよね。
でいて、裁判所では涙を誘ったというようなこともあったり。

これから最悪、1人、4人かかえるかもしれない。
両家の両親。
でいて、介護手当も削減の方向にいっていて。

だから私はこの方はずるいという風には思わない。
ただ、言えるのは弱いっていうことは言えると思うんですよね。
お気持ちはよくわかるし、大変だと思うけれども、やっぱり育てていただいたわけだし、そこで、“わたしばっかり”って言ってしまうのもどうかなと。
気持ちはわかる。
ただ、心にも体力があるから、体力がないのにそれを一生懸命やれっていうのも無茶だからそこは自然で。

それでいて、どんなときにもこれ。
(『苦難の時ほど感情は不用』と書かれたボードを出す)
だからどうしても大変な時って、“こうなったらどうしよう”、“ああなったらどうしよう”ってネガティブな方向に考えやすくなります。
そうじゃなくて、そういった時の感情は不要なんですね。

“何で私ばっかり”とか、“どうしてこうなっちゃったんだろう”とかそういうことを考えると余計迷路にハマる。

だから本当に苦しい時にはこれしかない。
(『最終的な助けは理性』と書かれたボードを出す。)

だから、今回スピリチュアルなこともある程度申し上げたけど実際には、やっぱり本当にこれからお金も大変だと思うんですよ。

でいて、やっぱり特養には入れればいいいけど、なかなか今順番待ちとかではいれなかったり、これからみなさんが本当に抱える問題だと思うんですが、みなさんのおたくはいかがでしょう?」

ふかわ「まだ元気ですけど、自分の中で、やっぱり覚悟しなくちゃいけないなっていう意識はありますね。」

江原「ですからよくネットとかで若い人の書き込みで、こういう事件があると“これから安楽死が必要な時代じゃないか”なんて書く人がいる。
でもそれはわたしは違うと思います。

やっぱり自分もその立場にいずれなるわけだし、で、生きて行くってことはとても大切で素晴らしいことなんで、命の尊さも教えてもらえますし。

ですからそういった意味では安楽死とかそういうことではなく、みんなでなんとか、これから大変な時代だと思うけど、だから今、オリンピックだとか云々でお金の問題もあるけど、福祉にかかわることもとても大事で、みんなで考えていきたいと思うんですが、“命は大事にしましょう”ということだけだと思います。
あとは心の体力に合わせて頑張ってください。」

ふかわ「ありがとうございました。」


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