5時に夢中:障害の可能性のある子供を産むべきか?
2015年6月10日放送の5時に夢中
出演:ふかわりょう、半井小絵(代打アシスタント)、美保純、江原啓之
「江原啓之のハッピーライフのすすめ」
江原啓之さんが様々なテーマから視聴者の皆さんの暮らしを豊かにするアドバイスを披露します。
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都内に住む38歳の主婦の方のお悩み。
わたしたち夫婦は結婚して5年目でようやく子宝に恵まれました。
しかし、妊娠15週目に受けた出生前診断でおなかの子供に障害の可能性があることを告げられました。
今ならまだ生まない選択もできるとわれ、夫とも何度も話し合いましたが今も生むか産まないかの結論を出せずにいます。
たとえ障害があっても我が子なので、親としてはどんな苦労もいとわず愛し抜ける自信がある一方で、ハンディを背負って生まれてくる我が子が将来人生の様々な場面で、苦労を背負うのはかわいそうという思いもあります。
まわりに相談もしたのですが、「障害があるから生まない」なんて親の資格がないと怒る親戚や、「無理して苦労する必要はない。
また妊娠のチャンスはある」といってくれる友人などさまざまでした。
最終的には我々夫婦の決断なのですが、ぜひ江原さんの意見を聞かせていただけたらと思います。
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内藤「去年のデータなんですが、
『新型出生診断を行う病院でつくる研究チームの調査によると検査を受け、染色体異常の疑いがある陽性と判断された方のうち実に97%の方があきらめた。』
ということなんです。」
ふかわ「江原さん、アドバイスお願いします。」
江原「この番組にして、このコーナーだけすごく重いんですよね。
だからね、本当に真剣に答えなきゃいけないなと思うんですけど。
非常に難しい問題で。
やはり出生前検診があってそれでわかったらば、それで"前向きに生きます(産む)"っていのは難しいと思います。
やっぱり"知らぬが仏"って言葉があるけれども、やはりそこまでの検診をして、挑めない(産まない)ことがあったとしても仕方のないことだろうと思うんです。
ただ、1つ気になるのは、生まれてくるお子さんにもしハンディがあった場合、お子さんがかわいそうではないか、という発想なんだけど。
わたしはどんな人にも必ず申し上げている、(『不必要な命はない』と書かれたフリップを出す)。
例えばハンディキャップということでいってしまうと、何をもってハンディとするか。
わたしたち人間てみんな個性だから、だれしも長所、短所いろいろあるじゃないですか。
みなさんあるでしょう?わたしだってあります。
生まれてきて不幸でした?生まれてこない方がよかったですか?」
(みんな首を横に振る。)
江原「命というものはどんな人も、例えばハンディを持っているお子さんを一生懸命育てているお母さんたち、わたしもたくさん知っていますけど、多くのお母さんが『この子がてくれてよかった』ってみんな言うんですよ。
で、『お母さんにしてくれてありがとう』ってみんな言うんですよ。
でもそれ以前に選択を迫られる場合、今日すごく中途半端なことを申し上げるようですけど、だからといって子供を産むべきだとか産まないべきだという人、外野はいっさいほっとくべきだと思います。
なぜかというと"あなた"が育てるんです。育てるのはあなたなんです。
ですから、外野はいろんなことをいいますけど、その人が育ててくれるわけではないんです。
わたしは人それぞれに"心の体力"というものがあると思うんです。
自分自身にできること、できないこと。
それとね、わたし、人生には失敗はないと思うんです。
みんな誰しもいろんな失敗というものがあって、ハンディまたは十字架を背負っていると思うんです。
だから人間てやさしくなれたりとか人の気持ちもわかるようになる。
ということで今までの失敗は失敗じゃないんですよ。
成功のためにあるわけであって、わたし、必ずこういう風に申し上げてるんですね。
(『宿命と運命』と書かれたフリップを出す。)宿命と運命は違う。
よく混同されがちなんですけど、宿命っていうのは、例えば国や時代とか生まれたものってあるじゃないですか。
性別も含めて。
そういったものは変えられないし、親も変えられませんよね。
だけども、自分の生き方で運命は変えられる。
これは素材と料理と一緒。
素材は変えられないけど、料理でいかようにでも変えられる。
ということはあなたにせっかく宿った命、それをどのようにするかはあなた次第。
万が一そこから逃げてしまった(産まない)ということがあったとしても誰もあなを責めることはできないと思う。
ただ、あなたの中には深い罪悪感があると思う。
でもその分、多くの子供たちや多くの親子を見る心の目を養うことになると思うんですけど。
だからね、わたしたち知らないほうがいいこといっぱいあると思いますよ。
でいてこの世の中に全員、元気な人だったらば、優しさがなくなりますよ。
ご病気の方やご高齢の方、いろんな方がいるから思いやりをはぐくむことができると思います。」