宮藤官九郎
【 2008年02月02日放送】【116回】パート3
今日のゲストは、脚本家として活躍の宮藤官九郎さん。
パート2からの続きです♪
~脚本家にとして成功したのは型を破ろうとしろうとして戦い続けたから。
そんな宮藤さんが一番知りたかった事は~
宮藤「今、そのドラマで人の20年後が見えて
で、この見えた事、自分だけが見えてる事に対して。
何て言ってあげ、どうしてあげたらいいだろうって事で。
何か毎回悩むみたいな話に、してるんですけど。」
(最新作「未来講師めぐる。」は人の20年後が見えてしまう話)
宮藤「そんな事書きながら。僕は自分20年後っていうか。
20年後に限らず、自分の未来っていうのは。
どうなってんのかな?っていうのは。
やっぱ気になるから、こういうドラマを書いたのかな?って
どっかで思ってるんですね。これは、自分の未来も気になるから。」
[未来の自分が気になる]
江原「言葉変えればね。“人の未来っていうのは決まってるかどうか”
というのが気になるんですよ。」
宮藤「ああ。」
江原「それ型でしょう。型だとするとあえぎようがないのか、とかね。
定まってるなら?もがいてもムダなのか?と、ね?
そっちになっちゃうわけですよ。そこが気になってるわけでね。」
宮藤「ええ。」
[運命と宿命]
江原「私も美輪さんも、いつも言ってますけど。
宿命と運命って違うんですよね。」
宮藤「はい。」
江原「宿命と運命は違うんです。宿命は素材、運命は料理なんです。
人の人生は大方の素材は決まっているんだけど、料理は決まってないんですよ。
だから生まれてくる意味があるし、そうでなかったら努力する意味がなくなってしまうんですよ。」
宮藤「それちょっとドラマで使ってもいいですかね?」
国分「ははは。」
宮藤「あなたの素材は決まっているわよ、と。
これをどう料理するか。」
美輪「そういうのは自分自身の自由な選び方だから。」
美輪「だから型というのはね、つまり宿命なんですよ。青写真。」
宮藤「はいはい。素材の方ですね。」
美輪「そうそう、素材の方、青写真ね。お家を建てる時の青写真ね。
自分の心がけ次第で。
もうちょっと、ここ、ここした方が住みやすい。ここ、ああして。
設計変更が出来るわけですよ。その設計変更可能な部分が、運命。
自由なんですよ、だから。」
宮藤「素材は、まあ決まってても料理次第で。」
美輪「そう。」
宮藤「僕は『型』を気にしないで、『型』を破っていけばいいのか。
『型』は『型』で残した方がいいのか。」
美輪「それも考えない方がいいんです。それを考えると『型』になるわけ。
流れのまにまに、自分が成長するんだったらすればいいし、そこで留まっていてもいいし
道草をしてもいいし、『どこへ飛び出してもそれもいいじゃないか』
『ねばならならぬ、ということは、どこにもない』という風に、そういう生き方を
今回は会得して、楽しむために生まれていらっしゃったわけだから。
[子どもに教わる]
美輪「これからの一番の先生は、多分お子さんだと思うんです。
一番『型』がないということもあるじゃないですか。」
宮藤「そうですよね、すごく自由でいいですね。」
国分「宮藤さんはお子さんがいるんですものね。
お父さんにはちゃんとなれているんですか?」
宮藤「そうですね。もうすぐ三歳で『可愛いな』というか『おもしろいな』が一番なんですけれど、
何か2度目の転機じゃないですけれど『ずいぶん変わるな、自分が』というのは思いますね。
日々変わっていくから『おもしろいな』と思いながら…。」
[新しい自分]
美輪「緑色の植物に光が差してきたような雰囲気になってきていません?」
宮藤「最近は『散歩に連れてって』と言われて、ちょっとうれしかったりします。」
美輪「そういう風に新しい世界がふわあっと広がってきてるんじゃないかなと思ったの。」
宮藤「子供が生まれる前からなんですけど、
いい話、教訓とかはあまりにも自分の中で関係なかったものなので、
自分で書いていて、ちょっと気持ちがあったかくなるようなせりふとかを書いた時に、
すごく恥ずかしいんですけど何か『服を脱いだな』みたいなリラックスした感じですかね。
新鮮だったんですよね。
若い時、20代の頃は何か作品を書くということに対して 『こういう風に書いたら、
人にこう思われるんじゃないか』という思いが 先に立っていて、
集中できていなかった部分があると思うんですけど、
ちょっといい話を書いたりしてそれを読んだ人から 『いい話ですね』なんて言われたら
『ちょっとうれしいな』みたいな。
『ちょっと今、足崩していいですよ』と言われたみたいな感じがありますね。」
国分「それはいつ頃からですか?」
宮藤「やはりドラマをやりだしてからですね。」
美輪「自縄自縛で自分の殻とかタイプとかスタイルを作りあげていて
『そうじゃない自分というのは気恥ずかしいし、ちょっと許せない』
そういうものとせめぎ合っていらしたのが、
それがフッと外れた瞬間に、『あ、こういうエリアも自分の一部であるんだから、
認めればいいじゃないか』と 楽におなりになったのね。」
宮藤「そうかもしれないですね。」
美輪「自分は、例えば100坪なら100坪の土地だ、と思っていたのが
測量してみたら『こっちの10坪もある』『こっちも5坪ある』と、どんどん広がっていって
『これも自分、あれも自分。自分の可能性ってもっと大きかったんだ』
それを発見していくとおもしろいですよね。」
宮藤「そういうのを実感したくてやっていたりとか…。」
美輪「人間ってやっぱりね、生きてくるとだんだん自分自身も世の中も見えてくるんですよ。
相手の気持ちもわかる、自分の立場もわかるいろんなことが見えてくる。
年を追うごとに見えてくるんですよね。
そうすると 『自分はこうでなきゃいけない』と思い込んでいたのが 実はこれも自分、
あれも自分、自縄自縛がとれてくるんですよ。
そうするとどれもこれが全部、自分の一部なんだから、どんどんと広がっていくんですよね。」
宮藤「そういう時期なんですかね、今。」
美輪「人間はどんどん成長して、太っていくんですよね(江原さんのほうを見る)。」
江原「…。」
国分「すごいパスを今…。」
【スピリチュアル・メッセージ】
未来が気になるのは、運命という「型。」
を気にするから。 宿命は素材、運命は料理。あなたという素材は決まっていますから、
あとは料理次第。 運命は変えられるのです
【オーラの言葉】
「自分はかくあらねばならぬ。」
という思い込みは、自縄自縛の落とし穴。 人間は年を追うごとに、
世の中も自分のことも見えてくる。 自分の可能性の大きさを発見できる