白鵬関
【 2009年06月27日放送】【2時間SP】パート2
今日のゲストは、モンゴル出身の横綱 白鵬関
パート1からの続きです♪
[大相撲との出会い]
国分「日本の相撲という存在を知ったのは、いつ頃だったんですか?」
白鵬関「お父さんは世界中をまわるんですけど、小さい頃5~6歳の時ですかね、
大相撲の雑誌とかがあったんですよ。そこからだな。」
国分「そこに興味というのは?」
白鵬関「18歳か15歳くらいの頃ですかね。」
国分「あ、ちょっとおもしろいなと。」
白鵬関「衛星放送です、NHKから。」
国分「テレビをみてたんですか?」
白鵬関「はい。」
国分「その時、憧れていた力士とかっていうのは、どんな方なんですか?」
白鵬関「やっぱりあの貴乃花、兄弟横綱。」
国分「はい。でも、その兄弟横綱がいなければ、もしかしたら
興味を持たなかったかもしれない?」
白鵬関「かもしれないですね。」
国分「でも、子供の頃、遊んでいたスポーツが何か違うらしいですね?」
白鵬関「ええ。バスケットボールをやっていました。」
国分「バスケットボールですか?」
白鵬関「はい。」
国分「その当時モンゴルではバスケットボールが流行っていたんですか?」
白鵬関「流行っていましたね、ちょうどマイケル・ジョーダンが1回引退して
また戻ってきた頃で、
みんながやっていましたね。」
国分「あ、そうですか。」
白鵬関「一応全国分大会で3位、銅メダルなんですけれども。」
国分「あ、成績も残しているんですか。」
白鵬関「はい、残してます。」
国分「ほう。じゃあもしかしたら『もうプロになろう』みたいな気持ちもあったりしたりしたんですか、バスケで。」
白鵬関「夢はありましたね。」
国分「それが急に相撲に変わっていくわけですよね?」
白鵬関「まあ、モンゴル相撲もありまして、本当に両方、もう大好きでしたね
でも、うちのお父さんは『あんまり早くからやらない方がいい』といっていまして。」
国分「モンゴル相撲は、遊び程度で、やっていたということですか?」
白鵬関「そういうことですかね。」
国分「それで、日本に渡ってきたんですか?」
白鵬関「はい。」
国分「すごい、賭けに出ましたね。」
白鵬関「ただ、その軽い気持ちで来たんですけどね。」
国分「日本に軽い気持ちで来たわけですか!」
白鵬関「はい。」
国分「まあ、相撲やってもいいかな~ぐらいだったんですか?」
白鵬関「そうですね。とりあえず『日本に行ってみたい』というのが強かったですね。」
国分「そんなスタートなんですよ、驚きですね。
やっぱり違う国に来ると、それなりの決意を持って来るのかなと思ったんですけど。」
白鵬関「じゃなかったですね。」
国分「はあ、おもしろいですね、これは。」
白鵬関が所属する、墨田区の宮城野部屋。
15歳の時、仲間といっしょに来日。
相撲を習うための研修旅行でしたが、仲間は次々と相撲部屋からスカウトされていきました。しかし白鵬関には全く声が掛からなかったのです。そして、モンゴルへ帰る前日。
白鵬関の師匠・熊ヶ谷親方のお話
「『モンゴルの力士が4人残っているんだけど
誰か1人、選んでもらえんか?』といって来たんです、急に電話があってですね。
で、僕は要望で『若くて背がすらっとした子がいないかな』と言ったら
『はい、そういう子だったら1人いますよ』ということだったので
『早速、すぐ連れて来い』と。
見ないまんま、そのまま連れてきたわけですね、東京の方に。
私、東京にいましたので、電話1本だったんですね、はい。」
1本の電話だけで、宮城野部屋に入門が決まった白鵬関。
当時は身長175cm、体重62kg。
今とは比べものにならないきゃしゃな体だったのです。
熊ヶ谷親方のお話
「だから、実際に会った時はびっくりしましたね。
『え~この子?こんな小さい子、大きく強くなれるのかな?』と最初はびっくりするぐらい小さかったですね。」
~スカウトに全く注目されなかった少年が横綱まで出世する才能を秘めていたのでした~
[偶然?の入門]
国分「先ほども『何となく日本に来た』みたいなことを言っていたじゃないですか。」
白鵬関「はい。今、親方が言っていたように、もし親方がそこで
実際に自分でね大阪だったんで、大阪に来て見ていたら
僕を選んでくれなかったんじゃないかなと思うんです。」
国分「なるほど。電話1本で条件を言って『それだったら1人いるよ』っていうことで
東京に呼ばれたわけですね、横綱が。」
白鵬関「もう本当に全部の噛み合わせがよかったんですね。
ちょうどうちの部屋で、もう1人モンゴル出身のお相撲さんがいまして。
1年先輩なんですけれども、で、『その力士より年下がいい』と親方に言っていただいて。」
国分「『年下がいい』と。」
白鵬関「はい。『身長は高い方がいい。細いのは後から何とかなる』と。
そういう電話だったらしくて。」
国分「なるほど。」
白鵬関「7人いて、3人がプロに選ばれて入って、4人残っていたんですよ。
で、『もう明日帰る』と。その前の晩の日に電話をいただいたんですね。」
国分「『明日帰る』っていう風になった時っていうのは、
横綱は
『もう駄目だな、もうモンゴル帰るんだろうな』と思ったんですか?」
白鵬関「もう本当に、両親にお土産を買って、もう荷物も全部準備して。」
国分「あ、そうですか。
日本のお土産を両親に買って『よし、じゃあ明日帰ろう』と思ったら晩に電話が来て『東京行ってくれ』と。」
白鵬関「もちろん、3人が先に選ばれて東京に行っているので、ぜひ!ということで。」
国分「当時の親方は『よし、条件そろった』と思って本人に会ったら、
『ちっちゃ~い』と思ったらしいですよ。
『強くなるの?』と思ったっていう。
ま、会ってたら本当に大変なことになってたかもしれないですね。
本当に次の日、お父さんとお母さんにお土産を渡していたかもしれないですものね。」
白鵬関「そうですね、本当に何時間で。もう夜だったんですけど
何時間で運命が変わったっていう
もう、朝に飛行機だったんですけど。」
美輪「人生っておもしろいわね。」
国分「本当ですね。それはあの、15歳っていうことは
身長もまだ伸びていってたんですか?」
白鵬関「そうですね。今、192cmあります。」
国分「192あるんですか!で、行った当時が。」
白鵬関「175、6cmですね。」
国分「相当、伸びましたね!」
白鵬関「相当、伸びましたね。」
国分「何ですか、やっぱ牛乳ですか。」
白鵬関「そうです。本当にそうです
牛乳を毎日3リットル飲んでましたね。」
国分「3リットル!大変でした?太るのは。」
[力士の体力作り]
白鵬関「だから最初は、そのあんまり稽古させてくれなかったんですね。
『もう食べて、食べて』みたいな。」
国分「痩せちゃうから『とにかく食べろ』と。それはきつくなかったですか?」
白鵬関「だから変な考えになりましたね。何か『嫌われてるのかな?』みたいな。」
国分「そうですよね。稽古をしてくれないけど『とりあえず、食っとけ』と。
それは思いますね。」
白鵬関「思いました。」
美輪「でも本当にやせていらしたときと、全く今、違う顔、別人の顔ですね。」
白鵬関「そうですか。」
美輪「私ね、やせてる時の最初の方に映ってた少年の顔を見たとき、『え?』っと思ったのは、昔、双葉山(1912-1968『相撲の神様』と呼ばれた大横綱さん)に、お会いした時に
伝説の双葉山親方、もう引退してずいぶんなられてからだけど
お目にかかったときのあの時の顔によく似てたんですよね。
『双葉山さんの若い頃に似てるわ』と思ってたんですよ。
そう言われたこと、ありません?」
白鵬関「たまにあります。」
国分「あー、そうですか。」
[大横綱 双葉山に似ている]
白鵬関「35代横綱、双葉山。昭和の名横綱ですね。」
国分「え?結構、好きな。」
白鵬関「好きですね、はい。」
国分「っていうことを言われると、ちょっとうれしいんじゃないですか?」
白鵬関「うれしいですね。」
美輪「いや、顔がね、似てらしたのよ、本当に。あの方も人格的に立派な方でしたよ。
本当に穏やかで、いばらなくてね、まさに横綱の風格のある方だったですよ。」
国分「やっぱり、その横綱の風格の中には優しさっていうのはついているんですね。」
美輪「とか、礼儀正しさとかね。悠揚迫らざる、デンとしたね
白鵬関もお持ちですよ、そういうところ。」
白鵬関「そうですか?」
国分「なるほど。
『辞めたい』と思ったこととか、なかったですか?」
白鵬関「まあ、そういう時もありましたけれど。」
国分「何とか乗り越えて。」
[父に恥をかかせられない]
白鵬関「やっぱり、お父さんの存在が大きかったかな。
このまま、もし帰ったら『お父さんが恥をかくんじゃないか』というのがありました。」
美輪「横綱でいらしたからね、モンゴルの。」
白鵬関「『その、息子が帰ってきた』っていうようになったら
『ちょっといい顔できないな』っていうのがありましたね。」
国分「モンゴルではお父さんは、相当、有名なわけですよね?」
白鵬関「そうですね。」
国分「その息子が日本に行ったというのは、新聞だったりニュースとかになったりしたんですかね、その当時は。」
白鵬関「まあ、なったんじゃないですかね。」
国分「は~、なるほど。」
美輪「でも、お偉いですね。自分の辛さよりもお父さんの顔に泥を塗っちゃいけないという。
つまり、お父さんの立場を、まず優先的にお考えになったっていうことは立派ですよね。」
国分「そうですね。
ご両親の教えの中での印象的な言葉っていうのは何かありますか?」
白鵬関「お父さんはあまり言わないので、お母さんの方はね、
『その国の水を飲めば、その国のルールを守りなさい』っていうのが、
そういうのが印象がありますね。」
美輪「まあ、日本で言う『郷に入れば郷に従え』っていう。」
白鵬関「はい。」
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