加藤茶

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【 2008年08月16日放送】【2時間SP 亡き人を偲ぶスペシャル】パート2

今日のゲストは、「8時だョ!全員集合。」で最高視聴率50.5%の記録を打ち立てたグループの1人でもある加藤茶さん。

パート1からの続きです♪

[ちょっとだけよ]
美輪「私、大好きだったのはね、あの『ちょっとだけよ』とか。」
加藤「あの『ちょっとだけよ』も、作ってできたものじゃないんですよ
営業で広島に行って、やることがなくてストリップ劇場に遊びに行ったんですよ。
『ストリップ劇場でおもしろいことやってるかもしれないから、
ネタになるかもしれないから』ってみに行ったわけ。
そうしたら、踊り子さんが出てくると、いつも来てるお客さんがズラっと並んでるわけですよ、>満タンに入ってるんですよ。お客さんが。
『よ、待ってました!』って言うと踊り子さんが
『あら、あんた今日も来てるの?あんたも好きねえ』」
国分「言ってたんですか。」
加藤「言ってたのよ。で、こっちのお客さんが 『そっちばかしじゃなくて、こっちもお願いします!』と言ったら
『あら、あんたも?ちょっとだけよ』とやってたのよ。
その、一体感になるんだよね、お客さんと、踊り子さんが。
一体感になっているその雰囲気っていうのが、ものすごくいいじゃないですか。
盛り上がってるし。」

国分「でも、その一体感って、大人同士の一体感じゃないですか。
加藤さんが相手にしているのは子どもですよね?」
加藤「それもね、わかんなかったの、俺。」
国分「『これは子どもにやっていいことなのか、どうなのか』?」
加藤「江原さん、泣いちゃってますよ。」
江原「おかしい。」
加藤「それで、その『ちょっとだけよ』を17年やっちゃったの。」
美輪「だって私、今でもそれ、言いますもの。」
加藤「あ、そうですか。」
美輪「くせになるから『ちょっとだけよ』って。」
国分「でもこれ、ご両親はどうですか?
これだけヒットするドリフターズを見てるとやっぱり喜んでたんじゃないですか?」
加藤「うちの両親ですか?親父はもう早くに死んでていなかったんですけど。」
国分「そうなんですか。」
加藤「僕が物心ついたときには、親父はもういなくて、
お袋が1人で水商売をやって食わしてくれたんですけどね。
僕が最初 『バンドマンになる』って言ったときも、全然反対しなかったんですよ。
『お前が好きならば、その道にじゃあ進みなさい。その代わり、トップになりなさいよ。 びりっけつになんかなるんじゃないぞ』って。
だからものすごく練習しましたよ。」

そして、加藤さんの成功を見届けて、お母さまは1980年にご逝去されたのです~

[お母さん]
国分「お母さんが亡くなられたことをちょっと聞きたいんですけれども
37歳の頃に亡くなったんですか?」
加藤「そうですね、お袋がちょうど62歳ですか、僕が『全員集合』が終わって、家に帰った。
自分で車を運転してましたから、駐車場に入れたときに、何かこう感じたんですよね。
『あっ、何かお袋にあったのかもしれない』と。で、急いで階段を駆け上って行ったんですよ。
で、駆け上って行って、玄関を開けて『お袋、ただいま!』と言ったら 何か異様な雰囲気なんですよ。
誰もいないんですよ、でも 『まずい、お袋、倒れた!』って感じたんですよ、僕。
で、入っていったら案の定、自分の部屋で倒れてたんですよ。
それで 『あれ?もしかしたら脳溢血かもしれないから』、ゆすることもできないんで、
とにかく『お袋!お袋!』と言ったら、返事がないんですよ。
しょうがないから妹の方へ連絡して、
それから 救急車の方に電話して来てもらったんですけれども、
その時にはもう、ダメだったんですよね。」
国分「そうなんですか。」
加藤「『あ、やっちゃった。やっぱり俺がいけなかったんだ』と思ったんですよ。」
国分「いけなかった、というのは?」
加藤「倒れる10日前に1回倒れているんですよ。聞いたら血圧が高い人でね、
その時に脳溢血か脳血栓かで、気が遠くなったと思うんですよね。
で、そのことを僕に言ったんですけど、僕は軽く考えてたんですよ。
『とっても元気な人だから、まさかそういうような病気になっても、死ぬようなことはないだろう』
その時に僕にこう多分、言ってるんですよね。
『もう、もしかしたら長くないよ』みたいなことを。それをいい加減に聞いていて。
病院に連れて行かなかったんで、亡くなったのを見て、自分のせいだ、と思ったんですよ。
『これはもう、絶対俺の責任だ』と。
だから、お袋が亡くなった時に、ここだけの話ですけれど
お袋の後を追おうと思ったんですよ、本当に。
『これは俺の責任だから、お袋、俺は後を追うよ。その代わり、全部、葬式も終わって 全部皆さんにね、お世話になりました、って言って、それから俺は逝くからね』って いってたんですよね。」
美輪「でも、もしそうなさっていたら、お母さまを不幸にしたわね。」
加藤「そうですね、その時にそういう決意でいたら、お坊さんに言われたんですよ。
お坊さんにはっきり言われたんですよ。『あんた、死のうと思ってるね』って。
『え!?』って言ったんですけど『ダメだよ。
そんなことをしたらお母さんがね、不幸になる』って同じことを言ってました。
『お母さんは、この世に何の未練もないんだから。
ましてやね、大事な息子さん、娘さんがもう一人前になったんだ。
もう思い残すことはないから、あの世に行って楽をしたい、とそういう気持ちなんだから、
あんた、そんな考えじゃダメ』って言われたんですよ、僕。」
国分「これはどういうような。」
江原「加藤さんはものすごく、ご自身をとがめていて、
だけどもお母さまはやっぱり自分で、『寿命だ』っておっしゃるんですよね。
ひとつの信号、シグナルだったかもしれないけれども、
その時に強く受け止めなかったということも、後からすれば すごく悔やむことだと思うんですよ。
でも、それはどうしようもないことなんですね。
お母さん自身は人の世話になるのが嫌なんですよ。
特に加藤さんに対して 足を引っ張りたくないんですよね。」
美輪「一番嫌なことなのね。
人に重荷になって、自分が負担になってるんじゃないかと思うのが。」
江原「まあ、親たるものはそうなんだろうと思うんだけれども、
こんなに息子を愛してる、っていうその姿にものすごく感動したんですよ。」
美輪「それでまた息子も、同じくらいにお母さんを愛しているのよ。」
加藤「そうなんです。愛していますね。」

江原「ちょっとマイナス点で言うとね、絆が深すぎるんですよ、ここの家族は。
だから、例えば加藤さんが結婚をするとか、家庭を持つとか
『それを足を引っ張ったのは私だ』ってお母さんが言っていらっしゃるの。」
加藤「わかっているんですか、それ。」
江原「うん。『自分がいるからダメなんだ』っていうことで、
だから悪い意味で言えば “絆が深すぎる”この家族は。だから他はもういらないくらい。」
美輪「他人が入るすき間が、もう全然ないのね。」
加藤「そうですね。例えば、僕が彼女ができて紹介するんですよ。
『いいんじゃない』とは言うんですけど、絶対、気持ちの中では反対しているんですよね。
そういうのが、わかるんですよ。『結婚はできないな』と。
やっぱり2、3人の方に『ごめんなさい』っていうのがありましたよね。」

江原「だからそれで『もう、これでいいんです。これ以上、足を引っ張っちゃいけません』と。」
加藤「じゃあお袋は、自分の方から身を引いたみたいな感じですか?」
江原「まあ寿命ではあるし『諦める』という気持ちになったのは、その部分のポイントですね。
ちょうど“潮時”っていうね。その本当に潮時って言葉が、何か印象的。」
美輪「だから人生の全科目の単位を取得して、修了したんですよ。」
加藤「そうですか。それを聞いて、何かスッとしました、今。すっきりしました。」

~お母さまの死から7年後、加藤さんは結婚。お子さまにも恵まれましたが
2003年に離婚、2004年にはいかりや長介さんが他界
さらに2006年には大動脈解離で入院
九死に一生を得られた加藤さんに送られるメッセージとは~

ザ・ドリフターズ 結成40周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合 DVD-BOX

[加藤茶さんへのメッセージ]
加藤「僕は、今回、大病をしましたよね。
『だいたいあなた、8割方から9割方、死んでたんだよ』と言われたんですよ。
でも、生きて今、こうやって仕事ができるわけですよね。
何かそれには意味があるんですか?
僕が生かされているっていう意味があるんですか?」
江原「そうです。『まだ生きなければいけない』」
加藤「いけないんですか?」
江原「うん。そして、そのご病気以降の方が、 本当の意味で新しい人生になってると思うんですよ。
それより前までは、まだやっぱりお母さんと一緒にいた絆の加藤さんで、
だからどこかで『別に、人いらない』ってところがあったと思うんです。」
加藤「あったかもしれないですね。
生かされている使命というのは、まあ自分がやることといったらもう、 お客さんに喜んでもらうことしかないんですね。
それをじゃあ、全うすればいいってことですかね?」

江原「うん。あとそれと、ご家族ね。
うん、ご自身のね。あとは大事にする人たちの支えになってあげるっていうこと。」
加藤「まあ、言ってしまいますけど、離婚してるんですよね。」
江原「でも、病気の時はね、看てくださったじゃないですか。」
加藤「毎日来てくれて、何をするわけでもないんですけれど、
まあ何か食べたいと言うと 出してくれたり、何かいろいろやってくれたんですけどね。」
美輪「それはなぜだとお思い?」
加藤「僕はなぜなんだろうな。」
美輪「関心のない人やね、憎らしい人とか、好きでもない人のこと、そんなことしますか?」
加藤「でも別れているんですよ?」
美輪「いや、別れる、別れないは別にして、人間がですよ。
自分が嫌いな人とか、憎らしい人とか恨みを持っている人に、そういうことができますか?」
加藤「できないですよね。」
美輪「できませんでしょう?」
加藤「まだ愛情があるんですかね?」
美輪「でしょう?」

江原「あの何て言うんでしょう、すごく不思議でね。
何か気持ちはあるのに、 加藤さんの心の中に他人を入れる部屋がないんですよね、なかった。」
加藤「はい。」
江原「自分の、血の繋がった家族以外を部屋まで入れないんですよ。」
加藤「そうです、僕そうです。まったくその通りです。」
江原「だからそれが、何て言うのかな、離婚とかの 原因になっていて。」
加藤「ああ、そうなんですか。」
江原「だから根底ではつながっているのに、気持ちはあるのに、共に生きれない。」
加藤「あとちょっと、遊びなんかで行き過ぎるところがあるんですよね。」
美輪「いや、だってもう病気をしたらね、
遊びが害になっても得にはならないってことがお分かりになったでしょう?」
加藤「はい!」
美輪「それぐらい、学習能力でお分かりなさい、ってことなの
だから快楽っていうのは、一時のね、悪魔のものだから、良い様に見えるけれども
エデンの園の林檎、アダムの林檎と同じで、ね?天国から追放されちゃうんですよ。」
加藤「僕、学習能力がないんですよ、もう本当に。」
国分「カトちゃん」
加藤「ぺ!」

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