岸部四郎
【 2008年11月29日放送】【139回 2時間SP】パート1
今日のゲストは、元ザ・タイガースのメンバーでタレント、俳優の岸部四郎さん。
~グループサウンズの全盛期、ザ・タイガースに加入して人気者に。
その後ドラマ「西遊記。」の沙悟浄役でも話題になり、
ワイドショーの司会としても活躍した岸部四郎さん。
借金をかかえ、病に倒れた岸部さんを支え続けてくれた妻(享年43歳)が
昨年、急死。
途方にくれる岸辺さんに、かってない厳しいメッセージが…~
岸部四郎さんが、ワイドショーの司会として活躍していた頃に行きつけの
ブティックの店員だった小緒理さんと出会い1994年に結婚。
ところが金融業者からの借金がふくらみ、総額4億2千万円。
1998年に自己破産。結婚してわずか4年で全財産を失ったのです。
それでも小緒理さんは岸部さんを支え続けました。
「彼を1人にさせる訳にはいかなかった。それは人間は辛い時に1人にしてはいけない。
1人にしたら絶対にどうにかなってしまうと思ったからです。」
(2004年4月7日「婦人公論。」より)
[借金から自己破産へ]
国分「奥さんと結婚された当時は、どんな生活だったんですか?」
岸部「まあ、物集めに走り回っていましたね。
ブリキのおもちゃから、本類から、骨董品までですね…。」
国分「それは買ったことに満足するわけですか?」
岸部「まあ、憧れの画家の絵だとかね、
そういうものが自分の部屋の壁に飾れた時というのは、何か『やったあ』という感じで。」
国分「それは、奥さんは借金をして買ってるということは、知ってたんですか?」
岸部「稼いでもいるけれども、借金も多いということは知ってましたよね。」
国分「途中で止めようとは思わなかったんですか?その、『もう買うのは止めよう』と。」
岸部「思わなかったですね。」
美輪「いや、あのね、そういう方っていうのは、いろんなおもちゃとか、
マニアで収集癖の方っていらっしゃるじゃない?
麻薬や何かと同じように、
中毒症状になっちゃうらしいの。」
国分「あ~なるほど。」
岸部「うん、そうですね。」
国分「僕が考えると、その骨董品をまた売ればいいんじゃないかなと
思うんですけども、そうはいかないんですか?」
岸部「う~ん。まあ売るとなるともう全然10分の1ぐらいになっちゃうのでね。」
国分「あ~そうですか。」
美輪「宝石と同じよ。宝石や骨董品っていうのは、値段があってないようなものだから。
だから買うときには、例えば宝石でも2千万くらいの物があるじゃないですか。
そうして売るときには、上手くいって10分の1。
だから2千万の物が二百万くらいになるんですよ。」
国分「怖いですね。」
美輪「骨董品もそうですよ。」
国分「自己破産してからの生活というのは、ガラッと変わりましたか?」
岸部「う~ん、ちょっと今、心臓を、循環器系を悪くしてるのが、
今だにその破産の話題は 非常に苦しいんですよ。
破産っていう話題をすると、まず動悸がはじまるでしょう。」
美輪「だから心意的なものですよね。精神がもろくなると、肉体ももろくなるし…。」
岸部「その通りだと思いますね。薬じゃ治らないんですよね…。」
美輪「何でもかんでも、全て暗示にかかりやすい方だからね。
全ての原因はみんな、精神的なもろさだとか、精神的な自己暗示とか、
そこから全部、発生しているんですよ。誰のせいでもないのね。」
岸部「う~ん。」
国分「自分のせい。」
美輪「自分のせいなの。甘えっぱなしなの。全て甘え。
普通、
収入を考えて、収入に見合っただけの支出で、
『これは許されるけど、これは買っちゃいけない』とか、
普通それで自分の欲望を手綱を引いて、皆さん生活しているわけでしょう?
ところが自分の欲望のおもむくまま、あれも欲しい、これも欲しい。
収入とのバランスも考えない、これも甘えですよ。ず~っと甘えの人生でいらしたのね。」
岸部「そうです。もう全く生まれた時から、子供の時からね…。」
美輪「だからこれは、もう誰が悪いんでもないですよね。自分自身だから。
だから自分がそういう風に追い込んできたんだから、
自分が自分を今度は救うこともできるってことですよね、反対に。」
岸部「う~ん。」
~自己破産からの再出発。小緒理さんに支えられ仕事を再開した岸部さん。
しかし、2003年に今度は脳出血で倒れます。
借金返済から夫の介護へ。奥さんの苦労は続くのです。2007年4月、
心臓発作で倒れ、帰らぬ人に。
結婚して13年、43歳という若さの早すぎる死でした~
[妻の最期]
国分「どういう形で亡くなったんですか?」
岸部「まあ朝起きたら、突然亡くなってたんです。
階段から降りてきたら、
彼女が台所のところでうつ伏せになって倒れているんですよ。
それでびっくりして『どうしたんだ?』と言ったら、もう冷たいんですよ。」
国分「そこでは会話はできていない。」
岸部「もうできていないです。」
国分「そうですか。それまではずっと元気だったんですか?」
岸部「まあ心臓も、犬の散歩してて、2回くらい、強力に痛くなって
うずくまって倒れかかってベンチに横にならせたことはあったんですよ。」
国分「そうですか。」
岸部「でも何か病院嫌いで、とにかく病院に行かないんですよ。
『検査すれば悪いところが見つかるから、大変だから。岸部さんが大変になっちゃうから
私はもういいのよって、そんなもの。』と言うんですよね。
『もし何かが見つかって、1週間でも2週間でも入院でもしなきゃならないというような
ことになったら…』」
美輪「『岸部さんが自炊もしなきゃいけない、
家で自立して生きていかなきゃいけないから、大変なことになるから』って思いやりよね。」
岸部「そうです。」
[愛妻に先立たれて]
国分「今は1人で住まれているわけですか?」
岸部「そうです。幸いにも姉がいましてね、時々来てくれるんです。」
国分「それはご飯を作りにですか?」
岸部「ご飯を作ったり掃除をしたりですね。」
国分「はあ。」
美輪「お兄さん(俳優の岸部一徳さん)の方は?」
岸部「お兄さんは一周忌とか、そういうとこは陣頭指揮を執ってやってくれましたけどね。
僕がこういう状態だから、芸能界でやっていけるかというのが一番心配だから、
それを彼にぶつけたんですよね。
そうしたら最初は優しく言ってたんだけど、
突然、まあわりと語気が強くですね。
『芸能界で、病人がまずタレントをしているということは普通、誰も思わないから、
まず体を治せ。』と。」
国分「『それからだ』と。」
岸部「『それからだ』と。
『そんな元気でない人だったら迷惑をかけるから辞めろ。』と言われまして。
また心臓がドーンとしてですね。もう、その場にいられなかったですね。
でも、そうなんですよね。兄が言うのはもっともな話。」
国分「はい。」
美輪「当たり前の普通のことをおっしゃってるだけなのね。
別に怒ったわけでも叱ったわけでもなくて、当たり前のことをおっしゃっただけの話なの。」
~借金返済、夫の介護。結婚してから苦労続き。
そして、43歳の若さでなくなった小緒理さん。
心の支えを失い、今だに立ち直れない岸部四郎さんに届けられるメッセージとは~
【スピリチュアル・メッセージ】
江原「極めて難しいっていうんですかね。
あの、岸部さんご自身の問題点、
こちらの方が問題が大きいわけで。非常に厳しいことを申し上げますね。
もういい加減、奥さんを解放してあげて欲しい。
というか、奥さん、ずっといるんですよ、そばに。
どうしてかと言うと、やっぱりそれは心配だからです。
『もう、早く死にたい、死にたい』『もう早く向こうへ行ってもいいや』
いつも投げやりな愚痴を言いますでしょう?」
岸部「う~ん。愚痴ってますね。笑ってる写真があるんですよね。
それに向かって、僕はしゃべる相手いないですからね。
『小緒理さんよ、どうしたらいいのや、俺は。』というところから始まって、
ぶつぶつ言うんですよ。」
[本当の愛は心配させないこと]
江原「もうそれがたまらないわけですよ。
それでね、解放してあげてって言うのは、
本当の愛だったらばね、いつまでも相手に依存したり、すがることじゃないと思うんです。
だから、申し訳ないけれど岸辺さん、本当に奥さんを愛して欲しいんですよ。
岸部「うん。」
江原「愛するってことはね、相手に心配させないことだと思うんですよね。」
美輪「思いやり。気遣い。」
江原「頼ることが愛なんじゃなくて。」
岸部「頼ってばっかりですね、僕は。」
江原「ね?だから、そこをね、心配させないこと。
これ、テレビをご覧になっていらっしゃる方も多くの人がそうだと思うけど、よく亡くなった人に頼るんですよ。
『あれも助けて、これもしてちょうだい。』ね?でもそれはね、愛情じゃないんですよね。」
岸部「それはダメなんですか。
まあよく手を合わせる時に『願い事をしちゃいかん』という風に言われてて、
なるべくそれはしないようにしてるんですけどね。」
江原「あのね、願い事をしても大丈夫だとすれば、奥さんが岸部さんのことを
愛していない場合ですね。
『もうどうでもいいや』って思える人だったらば、別に何を頼んだって右から左に聞き流しでしょう?ね?
だけれども奥さん自身はやっぱり岸部さんのことをとってもね、
もうやっぱり我が子のように 心配している。
だからそういった意味ではね、その言葉はきついわけですよ。
だってその、病院が嫌いとかね、どうとかじゃない。
奥さんは自分で具合が悪いのを自覚してましたからね、亡くなる前。
で、『このまま病院に行ったら入院になるだろう』って
いう風に自分で思っていたんですよ。
でそうしたらば岸部さんは誰が面倒をみるか。
だから自分の命をもうそれこそ引き換えにしてでも守り抜いたわけですよ、岸部さんをね。」
美輪「だから生きてる時にさんざん心配かけてね、
それまで愛してもらって甘えっぱなしだったんだから、
今度は逆に恩返しをしなきゃいけませんよね。
恩返しが何かと言ったら、つまり60年近く甘えっぱなしの人生でだらしなかったのを
ちゃんとして、
今こそ大人になって、そういう風にもうしてお上げになったのが、
愛情の恩返しでしょう?ね?
『お役目終わってね、楽になってください。』という風な気持ちにおなりになれば、
そうすると奥さまも心配なくスーッと行くところへ行けるし。
そうすると岸部さん自身がね、スーッと体が楽になってね、病気も治っちゃうんですよ。
そういうものなんです。」
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