西城秀樹

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【 2008年03月8日放送】【121回】パート2

今日のゲストは、脳梗塞を克服した歌手の西城秀樹さん。

パート1からの続きです♪

~お父様が亡くなって2年後に、西城さんは結婚し、お子さんも誕生します。
ご家族のためにも仕事に力を入れていた時 ラクナ脳梗塞を発症してしまうのです~

あきらめない―脳梗塞からの挑戦

国分「どういう状況でなったんですか?」
西城「韓国の済州島(チェジュトウ)で、何か具合がおかしいので
知り合いの医者に連絡したら『梗塞かもしれない』と言われたんです。
上手くしゃべれないんですよ。
平衡感覚がなくなって、歌でいうと、音楽の音程が取れない。
それでもどうしてもディナーショーをしたかったので、 何とかしのいで、
キーを下げてやったんですけど ひどくてはちゃめちゃでしたね、それでもやりましたね。
それで失語症というか、その3ヶ月後に『水』ということが言えないんですよ。
コップにある『それ、水だよね』というのが言えなくて『………………それ、水だよね』とこれぐらい時間がかかる。
言いたいことがスッと言えないんですよ。

3ヶ月過ぎると、どんどん悪くなって、うつ病になったりとか。
やはり、そういう風なものなんですって、後遺症としては。
半年後ぐらいになると、今度は『三歩進んで二歩下がる』みたいな
一歩はよくなっているんだけど、もうわからないんですよ、自分で。
どんどん、悪くなっているんじゃないかな、と思って、どんどん落ち込んで、
2年たっても苦しかったですね。
3年たって、初めて『あ、何か治す気になったな』という、自分が。
だから病気も『気』だし、元気も『気』だし、ヒデキもキだし、
やはり 『病は気から』というのはここから始まっているんだな、ということを理解しましたね。
治す気がなかったら、病気は治らないんですよ。」

国分「3年かかるんですか。」
西城「かかります。
それでその間に、自分との格闘があって、リハビリにがんばっている自分が、
こんなに自分で一生懸命、がんばったことはないから、だんだん好きになるんですよ。
『僕はこんなに自分でがんばって…こういう人生もいいな。』って その…考え方を変えるわけ。
今までの自分と比較しちゃいけないですよ。70%でいいや。
この70%を上手に利用してやろう、ということで、逆に肩の力が抜けて、
いろんなことができるようになった。」

国分「それは何かきっかけみたいなものは?」
西城「やっぱり家族ですよね。
もう、歌えないと思ったんで、僕はこの世界、辞めようと思いましたから。
世の中『元気になって良かったですね。』ばっかりじゃないですか。
でも『大丈夫です』と言いながら、がんばらなきゃいけない自分が辛くなっちゃったんですね。
『俺、辞めようと思う。』と言ったときに、女房が ゆっくり時間がかかって病気になったんだから、ゆっくり歩いて、治していこうよ。』 という、時間のかけ方を言われた時に、
そんなに焦っていないんだ、俺より。
焦っているのは俺なんだ、って悟って。子供も生まれたし、よし、じゃあ一緒に、 初めて一生懸命、自分を治そうと努力したんですね。
言語障害の子供たちを教える先生に、一緒についてトレーニングするんですよ。
もう、最初は涙が出ちゃう。」

国分「どんなトレーニングを?」
西城「舌の筋トレっていうんですかね、冷やしたり、温めたり、刺激を与えたり
それからアナウンサーがやるような口の開口ですね。
口唇運動訓練、構音訓練、口唇運動など。
それだけじゃなくて、今度は有酸素運動で歩いて、血行を良くして
全てのことをやらなくてはいけない。
それを4年続けて『やっと、まともになったかな?』という感じですよね。」

国分「そもそも、病気の原因というのは?」
西城「結婚して、長女が生まれて、この子のために、『よし、がんばろう!』っていう気が、逆効果になっちゃったんだね。
“水を飲まない、サウナに入る、絞る”、その脱水症状を引き金に、“ラクナ梗塞”になっちゃった。」
国分「それは、ダイエットみたいな感じですか?」
西城「それもやったんです。ひと月に5キロぐらいとか。
自分では、よかれと思ってやったことが、ものすごく嘘っぱちなやり方だったんですね。
だからよく聞いてからやった方がいいですよ。怖いです、ダイエットは。」

美輪「お水を飲まないと怖いんですよね。」
西城「水の飲み方をあとで、医者に教えてもらったんですけど、お水は飲んでもすぐには、 水分を吸収しないんですって。
飲んで、1、2時間して、初めて吸収してるので、それから運動しながら、
またペットボトルでこまめに飲んでください。』と。」
国分「1日やはり、2リットルぐらい摂りなさい、とか?」
西城「食事にも水分がありますから、それを入れて1.5リットルでいいですよ。
続けられる量でね。
夏場は1.5から2リットル飲めば、充分じゃないでしょうか。」

美輪「それまでは、どういう食生活でいらしたの?」
西城「もう、めちゃくちゃです。
倒れるまでは、油物だ、暴飲暴食だ 『さぁ、行くよ、もう一軒!』
そんな感じだったんですけど、今はそれはないですね。」
美輪「それが全ての原因だったんですよね。暴飲、暴食…。」
西城「全部、その積み重ねですよね、本当に。
自分はスーパーマンだと思ったんだけど、スーパーマンじゃなくて
やはりメンテナンスをしなくてはいけないんだと。
女房なんかは、揚げ物だったら2度揚げてくれたりとかしてくれるので、本当に助かります。」
国分「そのとき奥さんは、2二人目をお腹に。」
西城「ええ。
医者に『お腹に多分、いると思うので言わないで下さいね。』といわれたのに、
『脳障害です』っていっちゃって。
だんだん事情がわかってきて、食べられるようになったら、
病院までごはんを作って来てました。
病院でもちゃんとカロリー計算があるんだけど、さらにカロリー計算してくれて、
できるだけやってくれたんですけれど。

子供も会いたいだろうということで、2、3回連れてきたんですよ。
でも、『子供は病院に連れて来ない方がいいから』っていったりしたんだけど。」
美輪「でも、女の人って切り替えが早いって、お思いになりません?」
西城「強いです。参ったなあ…どうやったら、今後勝てるのかなあ?、と思って。
一番痛いところを、グッと握られた感じですよね。」

江原「痛みのわかる方ですね、お若くてね。
話を聞いている中で、どんどん見えてくるのは奥さんのことなんですよ。
慈悲とか慈愛とか、お若くていらっしゃるけれども、
いろいろな精神的な苦労をなさってきた方ですね。
ご家庭のこととか、 ちょっとそういうことが垣間見えて。」
西城「そうですね。」

さらに西城秀樹さんのお話。
すごく不思議なことに、その日(長男の誕生)は体が軽くて、
よくおしゃべりもできたそうです。
これは何かあるなと思ってそこからがんばったら、 またどんどん良くなっていって、
自分に自信がついてきたそうです。
その時、たまたまドキュメンタリーとかをみて もっと大変な人がいるんだ、
と思った時に自分は やることはやろう、という風に思ったのかもしれないとのこと。
そして、死に対する付き合い方は、10年でも20年でも楽しく一生懸命 生きることだと感じたそうです。
それまでは、鳥のさえずりを聞いても『いいな』と思ったことはなかったのに 変わったとか。
それから子供や奥さんに対する考え方も、ものすごく変わったとのこと。
病気になる前は、え方が亭主関白風だったそうです。
それが、今は普段怒るところを、怒らずに聞く耳を持つようになったそうです。
そして、マネージャーや奥さんに対しても、相手がなぜ怒っているのかを 考えるようになったとのこと。
俺がこんなに変わるのか、と信じられないぐらいかわったそうです。
それは歳をとったからというのもあるけど、やはり病気が大きかったのではないか、
と思っているそうです。
病気をした後に、知ってからの人生の歩き方がちょっと変わってきたような感じが しているそうです。

国分「リハビリを経て、万全な体調に戻った時に、一番うれしかったことって何ですか?」
西城「自分が子供と一緒に遊んであげられることとか、
やはり健康でいろいろやっていることですよね。健康であれば、何もいらないですよね。
だからさっきの、コップを持って、ここに持ってくるということが当たり前だと思うけれども、当たり前じゃない、ということを、経験しちゃったものですから。
食べること、おいしいな、つかむこと、素敵なことだな、ということを感じるわけです。」
美輪「だから本当の幸せというのは、黒のそばに、生成りの布を置いても真っ白に見える。
ところが黒を知らないで、ずっと中途半端な生成りで来た人は、横に真っ白の布を置いても、その白の白さがわからないの。
何でこれが幸せなの?と思っていたのがひどい目に会ってみるとしゃべられるのも、幸せ、見られるのも、幸せ、歌えるのも、幸せ、歩けるのも、幸せ。
だから、本当は世の中の人は幸せな人だらけなのね。
だけど幸せだと思わないのは見過ごしているから。」
西城「それをやっと感じたんです。」

国分「奥さんは妊娠しながら、西城さんの面倒も大変だったと思いますけれど。」
西城「僕には絶対、言わないんですが、人から聞いた話ではものすごくうろたえたんだけど、
子供もいるし、しっかりしなきゃいけない、と 思ったらしいですね。
それがあるから、頭が上がらないんですけど、それは感謝してますよ。
結婚してなかったら、死んでましたね、間違いなく。
結婚してるから、病気にもなったけれども、違うことも得ましたからね。
早いうちにいろいろな病気になって、まあよかったかなと今は思っています。」

日本医科大学神経内科 片山泰郎教授のお話
どんな人が脳梗塞になりやすいのか 「高血圧、糖尿病、高脂血症といった方は、もっとも起きやすい方ですね。
そのほかに、肥満、メタボリックシンドロームというものも気をつけなくてはいけない因子ですね。」

脳梗塞の予防法
「栄養バランスの取れた食生活、充分な運動、それから水分をこまめに 充分摂取していただくということが、脳梗塞の予防に繋がると思います。」

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